2025.09.02 2025.09.10

【完全ガイド】獣医師になるには？資格・学費・必要スキル・将来性を徹底解説！

転職ブロガー富

動物が好き、人や社会の役に立ちたい、医療系の国家資格を取りたい――そんな思いを抱く人にとって、獣医師は非常に魅力的な職業です。この記事では、獣医師になるまでのステップ、必要な資格や知識、向いている人・向いていない人、年収や将来性まで、わかりやすく解説します。

Contents

獣医師とは？どんな仕事？

獣医師とは、動物の病気やけがを診断・治療し、健康を守る専門職です。診療対象は犬・猫などのペットだけでなく、牛・馬・豚などの産業動物、動物園の動物、さらには公衆衛生や食品安全にも関わるなど、非常に幅広い分野があります。

小動物臨床（ペット診療）

犬・猫などの家庭動物を対象に、内科・外科・皮膚科・眼科・歯科などの診療を行います。一次診療では広い範囲の知識と技術が求められ、二次診療（専門病院）では高度な専門性が必要です。飼い主との信頼関係構築や、病気の早期発見・説明力も重要です。夜間対応や緊急手術などもあるため、体力と判断力が問われます。動物病院などで犬・猫など家庭動物の診療を担当します。手術・内科・皮膚科・歯科など、診療科目は人間の医療と同様に多岐にわたります。

産業動物診療（畜産支援）

牛・豚・鶏などの家畜を対象とし、病気予防や治療だけでなく、飼育環境の改善やワクチン管理、繁殖支援なども担います。現場（牧場や農場）への出張診療が多く、寒暖差のある屋外作業もあるため体力が必要です。獣医師としての判断力だけでなく、農家との信頼関係も業務の要となります。牛や豚、鶏などの家畜を診療し、畜産業を支える重要な役割を担います。現場に出向くフィールドワークも多く、地域医療とのつながりも深いです。

公務員獣医師

地方自治体や国の機関に所属し、動物の感染症対策、狂犬病予防、家畜伝染病防除、食肉衛生検査、動物愛護行政などに携わります。市民や畜産関係者との対応、報告書の作成、公的基準に基づいた正確な判断が求められるため、論理的思考と公正性が必要です。食肉衛生検査所や保健所、動物愛護センターなどで、公衆衛生や動物福祉、感染症予防に携わります。国家や自治体にとって欠かせない存在です。

動物園・水族館獣医師

ライオン、キリン、ペンギン、イルカなど、さまざまな野生動物の健康管理、検査、ワクチン接種、環境管理を行います。種によって解剖学や生理学が異なるため、幅広い知識と応用力が必要。希少種の保護活動や繁殖プログラムに関わることもあり、研究的要素も強い分野です。動物園や水族館での動物の健康管理、繁殖支援、ストレス管理などを担当します。希少動物の保護にも貢献できます。

第二新卒・既卒・フリーターの方に心強い味方！

「第二新卒エージェントneo」は、
20代専門の就職・転職支援サービスとして、これまでに8万人以上の若者をサポートしてきた実績があります。

「まずは話を聞いてみたい」だけでもOK！
自分のペースで未来を切り開ける場所が、ここにあります。

資格取得と学びのステップ

獣医師になるには

獣医師になるためには、以下のプロセスを順番にクリアする必要があります。

高等学校卒業（理系選択）
- 生物・化学を中心とした理系科目を学ぶことで、獣医学部受験に必要な基礎力を養います。
獣医学部への進学（6年制）
- 全国に17の獣医学部（国公立11、私立6）があり、入試は非常に難関です。
- 入学後は、動物の解剖学、生理学、病理学、臨床医学、公衆衛生などを段階的に学びます。
- 5〜6年次には、実習や臨床ローテーションを行い、現場での応用力を身につけます。
国家試験（獣医師国家試験）に合格
- 例年2月に実施される国家試験（筆記形式）に合格する必要があります。
- 合格率は例年70〜80％前後（2024年：合格率76.8％）
獣医師免許の取得と就職
- 合格後、厚生労働省に申請して免許を取得し、動物病院、公務員、畜産現場などへ就職。

入試方式と準備

一般入試、推薦入試、AO入試などがあり、学校により異なります。
センター試験（共通テスト）や小論文、面接、志望理由書が重視される傾向。
志望理由が明確であること、獣医師の仕事への理解が深いことが合格のカギになります。

大学受験の難易度

国公立：偏差値65〜70程度（東大・北大・岐阜大など）
私立：偏差値55〜65程度（麻布・日獣・酪農学園など）

6年間にわたる濃密な専門教育と実習を経て、ようやく獣医師としてのスタートラインに立てます。獣医学部の6年制課程を修了すること

国家試験「獣医師国家試験」に合格すること

学校の選び方と学費

国公立大学（北海道・東京・大阪・岐阜・鳥取など）…学費：約350万〜410万円
私立大学（日本・麻布・北里・酪農学園など）…学費：約940万〜1,440万円

これに加えて、実習費・教材費・通学費・生活費なども必要です。

費用を抑える方法

大学独自の奨学金制度
日本学生支援機構の奨学金制度（第一種/第二種）
成績優秀者向けの特待生制度

向いている人・向いていない人・必要スキル

向いている人

獣医師として長く活躍するには、動物に対する愛情だけでなく、医療従事者としての責任感や人間力も必要です。以下のような特性を持つ人は特に向いていると言えます：

動物の命に真剣に向き合える人：可愛いだけでなく、命の現実や最期にも責任を持てる。
観察力がある人：言葉を話せない動物の微細な変化を見逃さない力が必要。
継続的に学び続けられる人：最新の医療・薬理情報に常にアップデートが求められる。
コミュニケーションが取れる人：飼い主への説明、農家との対話、公務員としての住民対応など、人との関係構築が欠かせない。
冷静に判断・対処できる人：緊急時や手術中に動揺せず、論理的に対応できる判断力。

向いていない人

以下のような傾向が強い人は、獣医師の仕事において困難を感じる場面が多くなるかもしれません：

動物の死に極端に耐えられない人：最善を尽くしても救えない命がある現場でのメンタル維持が難しい。
体力やストレス耐性が低い人：夜間診療や大型動物との対応は体力を要し、感情労働も多い。
手を動かす細かい作業が苦手な人：手術や注射、検査作業には繊細な操作が必要。
長期学習に集中できない人：獣医学部の6年間＋国家試験＋臨床研修と、学びの継続が前提。

必要なスキル

獣医師として必要なスキルは、大きく分けて「医療技術」「動物理解」「対人能力」に分類できます。

基礎医学・臨床医学の知識：解剖学、生理学、病理学、薬理学などの体系的理解。
診断・手術・治療技術：聴診、血液検査、レントゲン、超音波、手術などの技術。
動物の行動・心理理解：犬猫・牛馬など種類ごとの性質や反応への理解。
コミュニケーション能力：飼い主への説明、公務対応、動物園スタッフとの連携など。
衛生・感染症への対処能力：防疫や清潔管理など、社会的な視点も含めた対応力。
判断力と責任感：一瞬の判断が命を左右する場面も。的確な対応力が重要。動物が好きで、命と真剣に向き合える人
観察力・冷静さ・判断力に優れている人
地道な努力をコツコツ積み重ねられる人
医学的知識を継続的に学べる意欲がある人
コミュニケーション能力が高く、人とも関われる人

将来性と社会的意義

獣医師は今後ますます多様な分野での活躍が期待されており、医療・産業・社会インフラを支える存在として、その将来性と社会的意義は非常に大きいです。

将来性のある分野

ペット医療の需要増加：高齢化・少子化の影響でペットが「家族」としての役割を担う家庭が増加。ペットの健康・長寿ニーズが高まり、高度な獣医療への需要が拡大。
高度獣医療・専門医のニーズ：腫瘍科、整形外科、再生医療、画像診断などの専門分野に進む獣医師が増加傾向。
感染症対策・公衆衛生：コロナウイルスのような人獣共通感染症対策において、獣医師の視点は国際的にも重要視。
食品衛生・安全管理：獣医師は食肉検査や農場HACCP、輸出入検疫などの分野でも必要不可欠。
動物福祉・動物行動学の発展：動物の権利意識の高まりと共に、快適な飼育環境の整備やストレス管理の専門家としての需要も増加中。